2.別紙2の各記述部分


2.別紙2の各記述部分
(1)別紙2の1の記述部分
甲第1号証の本件書籍(1)によれば、別紙2の1記載の「90年、91年の数宇は、露骨にいえば”粉飾決算”」との記述部分は、アムウェイの急成長に霧りが見えるなどとする関係者の話の一環として記述されている部分であるが、その後に続けて、「つまり、製品の販売数そのものが増えた結果の数字ではなく、簡単に売上実績があがる単価の高い台所用品セットを強引に売りさばいた結果です。」との記述があることからすると、ここでいう「粉飾決算」とは、正規の会計処理上の規準に従わず、不正な会計処理をしているとの意味ではなく、90年及び91年のアムウェイの決算は、従来、主として販売していた単価の安い日用品の売上げによるものではなく、単価の高い台所用品セットの売上げを伸ばしていることによる数字であり、アムウェイのこれまでの成長とは単純に同視できないとの見方を述べている部分であると認めることができるのであつて、一般読者の注意と読み方を基準とすれば、前記記述部分が原告の社会的評価を低下させるものとはいえない。

(1)別紙2の2ないし5の各記述部分
甲第1ないし第3号証の本件書籍及び弁論の全趣旨によれば、別紙2の2の株式上場にインサイダー疑惑があるとの記述部分は、証券取引法に反する 違法な証券取引行為を行っている疑いがあると指摘することにより、原告が違法行為をしているかのような印象を与えるものであり、別紙2の3の原告に薬事法違反の疑いがあるとの記述部分は、原告がディストリビューターに対して、健康食品等の販売にあたって、薬事法に違反するかのような誇大表現をさせているかのような印象を与えるものであり、別紙2の4の原告に独占禁止法違反の疑いがあるとの記述部分は、原告が販売員の製品販売にあたって、自己の指定する製品について再販売価格維持行為を行うなど、独占禁止法に違反する行為を行っているかのような印象を与えるものであり、別紙2の5の原告及びそのディストリビューターが詐欺的勧誘の手口で商売を行っているなどとの記述部分は、原告及びそのディストリビューターが、虚偽の事実を告げて相手方を騙すなど、違法な勧誘の手口で商売を行っているなどとの印象を与えるものである。したがって、別紙2の2ないし5の各記述部分は、いずれも、一般読者の読み方を基準にすれば、原告及びディストリビューターが違法行為を行っているとの印象を与えるものであると認められるから、原告の社会的評価を低下させるものということができる。

(3)別紙2の6記述部分
本件書籍(2)(甲第2号証)の該当部分によると、右記述部分は、原告を批判的に論じる者はその生命身体等に危害を加えられる可能性があり、原告は、そのような危険な企業であるとの印象を与えるものであるから、一般読者の読み方によれば、原告の社会的評価を低下させるものと認めることができる。

被告らは、右記述部分は、原告の親会社である米国法人アムウェイ・コーポレーションに関するジャーナリストの意見を紹介したものであり、原告の信用及び名誉を毀損しない旨主張するが、右記述部分は、本件書籍(1)に対する読者の反響として紹介されているのであり、その内容は、原告について論じる場合も、米国法人アムウェイ・コーポレーションを論じるのと同様の危険性があるとの印象を与えるものであるから、右記述部分が、原告の社会的信用を低下させるものであることは明らかである。▲トップ

(4)別紙2の7の記述部分
本件書籍(1)甲第1号証)によると、右記述部分は、第三者に対するインタビューの中の発言内容の一つとして、原告の定めるアムウェイ倫理綱領・行動基準中に、憲法違反を疑わせるような規定があるのではないかとの意見を紹介したものであるところ、右記述部分は、右第三者の原告商法に対する疑問をいくつか提示する形で述べられているものであり、右記述の後ろの部分に、アムウェイ倫理綱領・行動基準の該当部分が引用されていることなどからすると、一般読者の読み方と注意を基に、右記述全体を通して読むならば、原告の商法及びアムウェイ倫理綱領・行動基準については、右第三者のような考え方もあることを示したうえで、具体的な綱領・基準の該当部分を併記し、読者の判断に委ねようとする趣旨であると解すべきであって、右記述部分が、直ちに原告の社会的な評価を低下させ、その名誉、信用を毀損するものであるとまではいえない。したがって、右記述部分は、名誉毀損に該当しない。

(5)以上によれば、別紙2の1ないし7の各記述部分のうち、同1及び同7の各記述部分は原告の名誉を毀損するとまでは認め難いが、同2の原告にインサイダー取引疑惑があるとの記述部分、同3の原告に薬事法違反の疑いがあるとの記述部分、同4の原告に独占禁止法違反の疑いがあるとの記述部分、同5の原告及びそのディストリビューターが詐欺的勧誘の手口などで商売を行っているとの記述部分、同6のアムウェイを論じることに危険が伴うとの記述部分は、いずれも、原告の社会的な信用、評価を低下させるものであり、原告の名誉を毀損するものというべきである。