サーバー巡回レポート(2026-06-06分)

logwatch

マルチサーバー環境(cPanel×5台・DirectAdmin×1台)の日次logwatch巡回記録。 3人チーム(人間1名+AI 2名)で実施。


サマリー

サーバーパネル判定主な所見
SV-1cPanel✅ 異常なしスパム率26%(全台中最良)
SV-2cPanel⚠️ 軽微Exim CPU高負荷(スパム処理起因)/ Dovecot “killed”(誤検知)
SV-3cPanel✅ 異常なしスパム率59%だが検知処理済
SV-4cPanel⚠️ 軽微スパム率60%(全台中ワースト)/ Dovecot disconnect約2万件
SV-5cPanel⚠️ 要対応mod_proxy悪用IP(新規)を検出→全台ブロック
SV-6DirectAdmin⚠️ 軽微SMTP認証攻撃5,800件超 / クライアント設定ミス2件

全サーバー共通の対応

1. mod_proxyを悪用するIPのブロック(2件)

前回セッションで検出済みのIP-Aに加え、今回新たにIP-Bを検出。

IP悪用内容対応
IP-Agoogle.com / baidu.comへのプロキシ試行前回ブロック済(6台全て)
IP-Beasyproxy.xyzへのプロキシ試行+ポートスキャン今回新規ブロック(6台全て)

mod_proxyへのアクセス試行は、外部のオープンプロキシスキャナーが自動的に行っているもの。cPanelのデフォルト設定ではmod_proxyが有効なため、定期的にこの種の試行が発生する。

対応手順:

csf -d [対象IP] "mod_proxy abuse [踏み台先] [日付]"
csf -r

全サーバーで同一IPをブロックすることで、検出したサーバー以外への横展開を防止する。

2. SSHブルートフォースの状況

サーバー試行数ユニークIP数成功
SV-192件30なし
SV-2459件40なし
SV-385件31なし
SV-4127件42なし
SV-549件34なし
SV-6管理者のみ

全サーバーで成功ログインは管理者IPのみ。CSF/LFDによる自動ブロックが正常に機能している。


各サーバー詳細

SV-1(cPanel)— ✅ 異常なし

  • Dovecot:配信1,834件 / disconnect 5,160 / killed なし
  • SpamAssassin:clean 74% / spam 26%
  • Exim CPU:1h13m(通常範囲)
  • ディスク使用率:18%
  • 特記事項なし

SV-2(cPanel)— ⚠️ 軽微

  • Dovecot:配信1,197件 / disconnect 7,705 / “killed”表示(既知の誤検知パターン)
  • SpamAssassin:clean 47% / spam 53%
  • Exim:final-sigterm timeout発生、CPU 1h45m(スパム処理負荷が原因と推定)
  • ディスク使用率:30%
  • 特定アカウントにスパムが集中(最大353件/日)→ catch-all見直しは低優先度

Dovecot “killed” について: logwatchが「Dovecot was killed, and not restarted afterwards」と表示するケースがあるが、systemctl status dovecot で正常稼働を確認できれば誤検知。cPanelのサービス管理がDovecotを一時的に再起動した際、logwatchがその過程を「killed」と誤認識する既知のパターン。

SV-3(cPanel)— ✅ 異常なし

  • Dovecot:配信1,197件 / disconnect 7,705 / killed なし
  • SpamAssassin:clean 41% / spam 59%
  • ディスク使用率:28%
  • 特定アカウントにスパム集中(最大202件/日)→ SpamAssassinで検知処理済

SV-4(cPanel)— ⚠️ 軽微

  • Dovecot:配信1,656件 / disconnect 19,811(全台中最多)/ killed なし
  • SpamAssassin:clean 40% / spam 60%(全台中ワースト)
  • Exim CPU:1h22m / Dovecot CPU:30m47s
  • ディスク使用率:31%
  • 特定アカウントにスパム550件/日が集中 → SpamAssassinで検知済

高disconnect数の考察: disconnect数が約2万件に達した原因は、スパム送信元ボットがSMTP接続を大量に張っては切断するパターンによるもの。SpamAssassinが全件検知しているため、受信ボックスへの到達は防止されている。

SV-5(cPanel)— ⚠️ 要対応

  • Dovecot:配信3,109件 / disconnect 5,508 / “killed”(誤検知)
  • SpamAssassin:clean 83% / spam 17%(全台中2位の良好率)
  • ディスク使用率:41%(全台中最高だが問題なし)
  • mod_proxy悪用IP(新規)を検出 → 全サーバーでCSFブロック実施

SV-6(DirectAdmin)— ⚠️ 軽微

  • Dovecot:disconnect 8,792 / killed なし
  • SSH:管理者IPのみ(完全クリーン)
  • SMTP認証攻撃:5,817件(クレデンシャルスタッフィング、全件拒否)
  • Exim中継拒否:1,043件 / HELO偽装拒否:625件
  • SpamAssassin:clean 73% / spam 27%
  • ディスク使用率:8%(全台中最低=最も余裕あり)

クライアント設定ミス2件を検出:

問題原因対応
ユーザー名に / を含む形式で認証試行(150回/日)メールソフトのアカウント名に ドメイン名/ユーザー名 と入力クライアントに設定修正メールを送付
ユーザー名にフルネーム(スペース入り)で認証試行(34回/日)Outlookのユーザー名欄にメールアドレスではなく氏名を入力既に別件として対応済み(解決確認)

SpamAssassin検知率の比較

サーバーcleanspamスパム率評価
SV-11,18242026%
SV-52,77955317%
SV-62,42588927%
SV-29421,07953%
SV-36941,01759%
SV-41,2701,94360%

スパム率の高いサーバーでは、特定の数アカウントにスパムが集中している傾向がある。catch-all設定が有効なアカウントでは、存在しないアドレス宛のスパムもすべて受信してしまうため、スパム数が膨らむ。


教訓・ナレッジ

mod_proxyスキャンは継続的に来る

前回(IP-A)と今回(IP-B)、短期間に異なるIPから同じ手法のmod_proxyスキャンが発生した。これはインターネット上のオープンプロキシスキャナーが自動的に巡回しているためで、今後も定期的に新しいIPから試行が来る。

対策の定石:

  • logwatchのhttpdセクションで Connection attempts using mod_proxy を毎日チェック
  • 検出したIPは全サーバーで一括ブロック
  • 根本対策としてはmod_proxyへの外部アクセスを制限する設定も検討可能

クライアント設定ミスはログから能動的に検出できる

Dovecotの Username character disallowed エラーを定期チェックすることで、メールが使えずに困っているクライアントを先回りで発見・支援できる。今回の2件はいずれもクライアント側からの問い合わせがなく、サーバーログから能動的に検出したもの。

検出パターン:

  • 0x2f(スラッシュ)→ ドメイン名/ユーザー名 形式の設定ミス
  • 0x20(スペース)→ ユーザー名欄に氏名を入力するミス

Dovecot “killed” は焦らない

logwatchの「killed, and not restarted」は、cPanelが内部的にDovecotを再起動する過程で発生する誤検知パターン。systemctl status dovecot で稼働中であれば問題なし。毎回確認するが、対応は不要なケースがほとんど。


タイムライン

時刻作業内容
巡回開始前回セッションの引き継ぎ資料を確認
SV-1 logwatch確認 → 異常なし
SV-6(DA)logwatch確認 → SMTP認証攻撃5,800件+クライアント設定ミス2件検出
クライアント設定ミスの調査コマンド実行 → アカウント特定
クライアント通知メール作成(1件は既に対応済みと判明、1件は送付)
SV-5 logwatch確認 → mod_proxy悪用IP(新規)検出
IP-B を全6サーバーでCSFブロック
SV-4 logwatch確認 → スパム率60%(経過観察)
巡回完了全6サーバー巡回完了・公開レポート作成

このレポートは、実際のサーバー運用で得られた知見を匿名化して公開しています。IPアドレス・ホスト名・顧客ドメイン・顧客名はすべて伏せています。

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